Patrick Martin
2012年1月5日
共和党大統領候補指名の最初のコンテストである、1月3日のアイオワ州党員大会は、2012年大統領選挙戦、つまり、金融界の上流階級が選び出した人物を今後4年間の政治的勝者として正当化するのを狙いとする、大衆をごまかす所為の公式な開始を告げるものだ。
アイオワ州での投票への前段階におけ共和党大統領候補者による選挙運動は、各候補者の裕福な支持者連中が立ち上げた"スーパーPAC"の資金提供による中傷キャンペーン・コマーシャルの未曾有の連発をともなう、アメリカ資本主義政治でも最悪の状態となった。候補者そのものについて言えば、大企業の腰巾着、宗教原理主義者や、政商という、これ以上反動的な一群を見つけ出すのは容易なことではあるまい。
党員集会、予備選挙、ディベート、大会等々様々な選挙の仕組みや、それに伴うマスコミ報道攻撃にもかかわらず、次期アメリカ大統領の選出には、本当の民主的な中身などほんのわずかも存在していない。選挙が選択という幻想を与えてはいても、大企業に支配された二大政党の間には本質的差異など無いのだ。民主党も共和党も、大金持ちの富とアメリカ帝国主義の世界的権益を擁護している。
労働者の観点からすれば、バラク・オバマがホワイト・ハウスでの二期目に再選されようと、共和党挑戦者のいずれかに取って代わられようと、全くどうでも良いことだ。次期大統領は、個人名や党名はどうあれ、権力のあらゆる操縦桿を握る、政治、軍事、大企業エリートの代理人として機能する。
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オバマ再選運動の背後では、いつもの札付き連中が列に加わり、またしても、民主党の背後の労働者階級に、"(どちらも悪い二つの選択肢のうち)よりまし"だといって、脅して投票させようとする主張として、右派による共和党候補者連中の激賞を引用している。既に、ネーションやニューヨーク・タイムズ等の民主党支持派マスコミが、こうした主張をリハーサルしている。
だがオバマ政権と議会における民主党のふるまいが、2006年と2008年の選挙運動にはあった大衆の錯覚を一掃してしまったので、こうした擁護者連中も厳しい状況にある。"希望"と"チェンジ"という約束は、帝国主義戦争に尽力し、国内においては、緊縮政策と、民主的な権利を攻撃をする、ブッシュ政権より更に右派の政権という現実に取って代わられた。
オバマ再選運動と、その疑似一般大衆向け姿勢の皮肉さを誇張するのは困難だ。アイオワ党員大会の晩、民主党党員大会参加者に向かって、オバマが有線テレビで演説した際に、この様子が示された。彼の政権は、労働者に対して十分尽くしていないという批判に関するある女性の質問に答えて、オバマは言った。"我々は多くのことをなし遂げたが、我々には更になすべきことが多々ある。だから我々には更に四年間必要なのだ。"
これは、再選されたオバマ政権が一層右傾化しかねない脅威として受け取るべきだ。この文脈で、これまでの2012年の大統領選挙戦で最も重要な政治的出来事は、共和党大統領候補者指名を争う、全く取るに足らず、忘れられやすい候補者連中の浮沈でも、アイオワ党大会での投票結果でもなく、12月31日の国防権限法へのオバマ署名だ。
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この法律は、裁判も告訴も無しに、しかも法的救済無しで、いかなるアメリカ国民に対しても、無期限の軍事拘留を命じる権限を、大統領に与えるものだ。著名な市民的自由の法律家ジョナサン・ターリーがガーディアンに書いている通り、200年以上も前に権利章典に定められた憲法の原則を事実上廃止する方策について、アメリカのマスコミは完全な沈黙を続けている。
大衆がオバマと民主党に幻滅していることが、更に右派的政策を推進すべく、右派的で企業寄りの民主党の政策に対する労働者階級の敵意を利用する事に熟練している共和党が付け入る余地を与えている。
アイオワ州でトップを分け合った、元上院議員リチャード・サントラムは、この好例で、火曜日夜遅くの勝利演説で、自らを、解雇された製鋼所工員や、ペンシルベニア州や、オハイオ州、ミシガン州、インディアナ州やイリノイ州といった工業が盛んだった州でのアメリカ製造業崩壊による、他の犠牲者達の擁護者として描きだした。
これらの労働者達は、オバマ政権にすっかり切り捨てられたのだが、共和党右派の疑わしい妙薬は、業界の規制緩和、大企業や大富豪に対する減税、団体交渉権の骨抜きで、職や生活水準に対する攻撃を激化するばかりだ。
アメリカの選挙は、益々国民の気をそらすことを狙ったマスコミによるショーと化しており、政治的既成勢力は、益々右側に移行している。とはいえ、労働者が、資本主義二大政党制度に、益々苦い経験を味あわされているので、明確な前進もある。
2008年の大統領選、特にオバマとヒラリー・クリントンの民主党大統領候補者指名争いと、それに続くオバマの見事な選挙運動が、民主党と新大統領に対する、大衆の著しい錯覚を生み出した。そうした錯覚は消え去ってから久しく、2012年大統領選挙戦そのもの全体が、更に空虚なものに見える。
パールハーバーで何が起こるか
オバマにも共和党の相手候補者達にも大衆の熱狂的支持はない。何百万人もの労働者達が、二大業界政党のいずれも、自由企業体制の危機に対する何の解決策も示せないという結論を出し始めている。選挙運動中、有権者に向かって、連中が何を言おうと、どちらの党も、大企業権益の擁護と、金融寡頭勢力の本当のご主人への服従に専心している。
だが、受け身の疎外や敵意だけでは十分ではない。労働者階級は、二大右派政党が権力を独占し、大企業の権益を脅かすような、あらゆる政策を排除するという、アメリカ合州国の公式政治枠組みから決別すべきなのだ。労働者には新たな政治的進路が必要だ。社会主義綱領に基づき、利潤システム廃絶の為に戦う独立した大衆運動の構築だ。
記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/jan2012/iowa-j05.shtml
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テレビや新聞、宗主国の大統領選挙開始を、あたかも紅白歌合戦参加者決定のごとく報道している。いくら画面を見ていても、彼ら彼女らの政策の骨子には決して触れない。行き詰まった二大政党制度についても、当然、全く触れない。
随一の属国に暮らす貧乏人の観点からすれば、バラク・オバマがホワイト・ハウスでの二期目に再選されようと、共和党挑戦者のいずれかに取って代わられようと、全くどうでも良いことだ。次期大統領は、個人名や党名はどうあれ、権力のあらゆる操縦桿を握る、政治、軍事、大企業エリートの代理人として機能する。
ので、毎回の大統領選、全く関心がもてない。
前回、オバマが颯爽と?登場した際は、マスコミのヨイショがあまりにも激しく胡散臭いので、いくつか記事を翻訳した。
「チェンジ」なるもの、素人の予想通り(マスコミの宣伝文句とは全く違って)、俳優の顔が変わるだけのものだった。
大企業、官僚、司法、学界、マスコミ、労組が支持する宗主国「二大政党」の大統領選挙、年々、茶番の度を深めるだけのことだろう。「二大政党」以外の候補者のことは話題にせず、何のことはない、すべて資金で決まる。国中で、四年に一度、アメリカ歌舞伎を楽しむもののように見える。
属国でも、豪腕政治家が作り上げてくださった小選挙区制度、政党助成金の枠組みの中で、宗主国とほとんど違わない内容の国政選挙が行われる。
様々な選挙の仕組みや、それに伴うマスコミ報道攻撃にもかかわらず、次期国政選挙には、本当の民主的な中身などほんのわずかも存在していない。選挙が選択という幻想を与えてはいても、大企業に支配された二大政党の間には本質的差異など無いのだ。自民党も民主党も、アメリカの大金持ちの富と帝国主義の世界的権益を擁護する属国の傀儡政党。
随一の属国に暮らす貧乏人の観点からすれば、民主党が二期目の与党となろうと、自民党に取って代わられようと、全くどうでも良いことだ。次期与党も、党名はどうあれ、権力のあらゆる操縦桿を握る、政治、軍事、大企業エリートの代理人として機能する。
死の灰をもたらし、膨大な熱排水と放射能によって海の幸を壊滅させる原発を推進し、完全属国化を固定・強化するTPPを推進し、宗主国の攻撃基地を強化するための財源として、消費税増税をしてくださるのだろうと、素人は勝手に想像している。
孫子は、やがて居留地においやられ、健康であれば、カジノ労働者になるさだめだろうか。まことに美しい国。
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